事故米の不正転売をめぐる騒動。いろんな角度・視点からの議論が可能と思いますが、私はどこかで読んだある人の指摘が印象に残っています。
いわく、食品業界は零細な企業が無数にある。人口減少でこれから国内市場が縮むのは確実なのに、淘汰が進んでいない。利益を上げるのが困難なことが、不正の淵源になっている、と。
本業でまっとうに利益を上げられない企業は、速やかに退出する。そんな社会にしないと、これからも不正を働いてでも存続を図ろうとする企業は後を絶たないでしょう。
そのためには、監視を強める。とかいうことではなくて、むしろ起業が多く生まれる流れを作る、起業をして失敗しても再起を図りやすくする、といったことが必要なんだと思います。
具体的には、アイデアや技術が起業に結びつくようにする。起業に対して投資マネーが集まるが、その過程で事業計画も経営者自身も「揉まれる」。アイデアや技術は独占を許さず、他者・他社が利用できるようにする。早い者勝ちならぬ(経営の)上手い者勝ちってことで。
日本社会は当面、少産多死のトレンドが続きますが、起業に関しては多産多死を目指すしか途はないんじゃないでしょうか。