「死」とともに生きる

投稿者: | 2012-05-12

意を強くする記事、情報でした。

「死」について考える人の方が前向きな良い人生を送る!? : ライフハッカー[日本版]

毎日毎日死について考えるなんて、想像するだけでも気が滅入りそうですが、雑誌『Personality and Social Psychology Review』に掲載されていた最近の研究によると、定期的に死について考えることが、より良い人生を送ることにつながるということが分かったそうです。

この研究によると、過去5年以上実施してきた数多くの実験を振り返ると、意識的にせよ無意識的にせよ、死について考えている人は自分に対しても他人に対しても、前向きな姿勢をとることが多いとあります。

他人が死について考えたり語ったりすると「うしろ向き」「縁起でもない」と決めつける風潮、根強いですよね。でも死を意識から排除し、あえて言えば死から逃避する生き方の方が、ずっとうしろ向きなんじゃないでしょうか。

人は必ず死にます(早いか、遅いかの違いはあって、それはそれで大問題ですが・・・)。死を、生きていく上での「宿命」「現実」として受け入れ、それと上手く付き合っていくことこそ、より良く生きる上での必須条件と考えます。いくら社会的に成功しようが、豊かな人間関係に恵まれようが、死から逃げまくり、あげく死に際に醜態をさらすようでは、良い人生とは言えないでしょう。

そうした点でおすすめなのは、生活の中に死者とつながる場所やモノを設け、日々それに接する中で自然と死に親しむことです。仏壇、手元供養品、遺影などですね。そうしたものを日頃から拝み、時に語りかけたりしていれば、死への感覚を無理なく持ち続けられるのではないでしょうか。

私の場合、物故した作家のものを読むことは結構こうした面で役に立っているように思います。ましてその作家が死や老いについて強い関心を持っていた人なら、なお効果的です。モンテーニュ、吉田兼好、谷崎潤一郎、中野孝次といった作家に惹かれるのは、そうした面が大きいです。

近代の社会、そして日本の場合で言えば高度成長期以降の社会は、だいたいにして「死」を見えにくくする社会、死から目をそらす社会です。それにはもろもろの原因があるでしょうから、良いとか悪いとか言っても仕方ありません。ただ高齢者の多い社会では、その流れが転換する可能性があります。暗い展望をもたれがちですが、こうした面ではこれからに期待しても良いのではないでしょうか。

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