認知症300万人

投稿者: | 2012-08-25

厚生労働省の推計が発表されました。

「高齢者の10人に1人」という数字と併せ、頭に入れておきたい数値ですね。

要介護の認知症高齢者300万人超 NHKニュース

介護を必要とする認知症の高齢者の数が全国で300万人を超えたことが、厚生労働省の推計で分かりました。

前回、平成14年の推計より、およそ10年も早く300万人に達したことになり、国は、認知症対策の大幅な強化を迫られることになりました。

「10年で倍増」ということも言われますが、さすがに10年前は統計から漏れていた認知症の方も多かったでしょうから、これはさほどまともに受け取る必要はないと思われます。ただ深刻なのは、認知症の増加が厚労省の予測を上回るペースで増えている、ということ。

国もそれなりに認知症予防の対策は打っているはずですが、それが利いていない、もしくは効果が著しく不十分、と言わざるを得ないでしょう。「認知症を防ぐために何をすれば良いか」は、ある程度分かってきています。それでもこのありさまなのは、「分かっちゃいるけど、やっていない」という人があまりに多いからではないでしょうか。これは私の関心事である遺言など生前準備についても言えることです。「分かっちゃいるけど・・・」というヤツは。

さて厚生労働省がらみでは、医療費の数値も発表されました。こちらも「過去最高を更新」。

昨年度の医療費37・8兆円、9年連続過去最高 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

厚生労働省は24日、2011年度の医療費(概算)の総額が約37兆8000億円に達したと発表した。高齢者の増加と医療技術や機器の高度化などの影響で、前年度比約1兆1500億円増(3・1%増)となり、9年連続で過去最高を更新した。

こうして見ると、認知症500万人、医療費50兆円となるのは時間の問題です。恐らく20年とかからないでしょう。このままでは我が国は、医療や介護に膨大な人的・経済的資源を吸い取られ、言い方は悪いですが「老人を養うために働く」といった国になりかねません。個々の家庭ではそうした状態が一時的にあるのはうるわしい話ですが、国家が数十年にわたってそんな状態に耐えられるかどうか。

予防などを通じて医療や介護の「需要」を減らす、そして高齢者にも適正な負担を求める。この2つは「待ったなし」です。現在我が国は領土の問題をめぐって熱くなっていますが、この構造問題を避ければ避けるほど、あとからより「大手術」が必要になることでしょう。

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