「経済成長」をどう考えるか

投稿者: | 2012-11-30

現代の大きな論点なのではないかと、密かに思っています。

一方には名目3%や4%の成長は容易だと考える人たちがいて、他方には経済成長は無理だし望ましくもない、と考える人たちがいます。後者の人たちはマイナス成長やむなし、と考えているわけです。そういう人たちからすれば、経済成長を目指した政策的対応は良くて無意味、ともすると有害なだけということになります。

私自身は、やはり一定の経済成長は追求すべきだし、可能と考えています。ただしその率は、人口が高齢化しつつ減少する我が国では、せいぜい名目1~2%といったところでしょう。3%や4%さらにはそれ以上の成長は持続可能とは思えませんし、仮に結果だけ求めてなりふり構わぬことをしたら、他に弊害が出てくると思われます。

最近「アゴラ」で辻元さんという方が、こうした論説を続けて出しておられます。傾聴に値する考えと思います(私自身は、エネルギーという制約が経済にとって絶対的なものとは考えませんが)。なおここでは「実質経済成長率」での話です。

経済成長の低下と金融システム : アゴラ – ライブドアブログ

多くの日本人にとって、好景気と思うことのできる水準というと、おそらく年率実質3%以上の経済成長ではないかと思いますが、これは世界的に見て、上のように先進国の経済成長が落ち込んでいる状況では、今後、不可能であると、断言できるのではないでしょうか。 景気回復の意味を考え直すべきではないでしょうか。

実質経済成長率が年率1%以上なら非常な好景気というように、頭を切り替えることが大事ではないでしょうか。

さて、その経済成長のために政治は何をすべきか、何ができるか。それが次の論点になります。私はもとより専門家ではありませんが、以下のような問題意識を持っています。

  • 政治の対策が「主」、金融政策は「従」であるべき
  • 特定の産業を育成するのではなく、広くビジネス環境を整備することを考えるべき
  • 経済活性化・社会保障制度改革・財政再建を三位一体でデザインすべき
  • 規制改革にはまだまだ余地が大いにある

総選挙まで二週間あまり。この問題はとことん考えて行きたいと思っています。

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