大阪の市立高校での自殺事件を契機にして、体罰談義が盛り上がっています。
私が驚いているのは、今の日本社会には体罰絶対反対・体罰全否定の考えを持つ人が結構多いんだな、ということです。少しでも体罰を容認する意見を表明しようものなら、時代錯誤とか封建主義者のレッテルを貼られかねないような、そんな「空気」すら感じます。
元プロ野球選手・桑田真澄氏の体罰批判がもてはやされているのも、その一環でしょう。
朝日新聞デジタル:「体罰は自立妨げ成長の芽摘む」桑田真澄さん経験踏まえ – 社会
私は、体罰は必要ないと考えています。「絶対に仕返しをされない」という上下関係の構図で起きるのが体罰です。監督が采配ミスをして選手に殴られますか? スポーツで最も恥ずべきひきょうな行為です。殴られるのが嫌で、あるいは指導者や先輩が嫌いになり、野球を辞めた仲間を何人も見ました。スポーツ界にとって大きな損失です。
私は、いくつかの条件や留保を付けた上で、教育者や指導者が自らの判断で体罰を行使することはあって良い、と考えています。もちろん奨励するつもりもないですが、体罰を行使する教育者・指導者を断罪したり、いわんやクビにしろ、などと言うつもりはありません。
条件というのは、以下のようなことです。
- 小中学生くらいまでの比較的幼い子が相手であること
- ルール違反など何に対する制裁か、明確であること
- ケガや後遺症が残るような暴力・暴行でないこと
- 叱責など他の方法との比較考量の上で行使されること(つまり、怒りのあまり手が出てしまった、などというのでないこと)
私から見ると、体罰絶対反対・体罰全否定というのは随分狭量に思えます。逆のお立場の方からは、私のような考えの持ち主はどう映るんでしょうね。