久々に魂が揺さぶられるドキュメンタリー番組を観ました。
インドのテレビ局が制作した「無縁死のおくりびと」。
無縁死のおくりびと ～インド～｜国際共同制作 発掘 アジアドキュメンタリー｜NHK BS1
数億人の貧困層をかかえるインド。誰にも看取られずに死を迎える人は少なくない。60歳になるシャリフは息子を殺され、しかも身元不明人として火葬されるという不幸に見舞われた。シャリフは死に目に立ち会うことも、見送ることもできなかった。後に身元が分かったが、戻ってきたのは服の一部だけ。悲しみを癒すため、身寄りのない死者に付き添い火葬を手伝う事を始めた。
引き取り手のない遺体が見つかると、警察から連絡が来て、火葬を執り行うというわけです。それも、ボランティアで！
番組では、父親がそんなことをしているというので、娘に嫁のもらい手がいなくなった、というエピソードが紹介されました。3人のおくりびとが紹介されたのですが、本物の「聖者」を目にしているようで、何度も拝みたいような気持ちになりました。そして、涙したこともたびたび･･･。
そう思って観るからかもしれませんが、この人たちの顔つきにはある種の崇高さが宿っているように感じました。そして、番組で語られた言葉の深さ、重さといったら・・・。
こういう人たちの「語り」は、はっきり言ってそこらへんの坊さんや学者が語る死生観の「説教」とは、全く違うレベルの迫力があります。彼らの言葉を本やビデオにして、販売すれば、世界の各地から支援金のようなものが集まるのでは？と思ったことです。
インドの貧困や格差には、絶望的なものがあります。彼らの後継者が必要になることでしょう。そしてそんな風に他人事みたいに言っている日本人も、いずれはこうした「おくりびと」を大量に必要とするようになる気がします。是非もなく。
なおこの番組は、7日に再放送されるほか、NHKオンデマンドの「見逃し見放題」でも15日まで配信されています。私ももう一度、見直すつもりです。できれば、総合テレビでも放送してもらいたいくらいの番組なんですけどねぇ。
BS世界のドキュメンタリー｜発掘アジアドキュメンタリー 無縁死のおくりびと ～インド～
NHKオンデマンド | 発掘アジアドキュメンタリー 「無縁死のおくりびと」～インド～