格差の固定化は、マズいでしょう

投稿者: | 2013-05-13

衝撃的なデータでした。

データえっせい: 東大・京大合格者の組成の変化

合格者の実数は,4,882人から5,928人へと増えています。しかし,増分はもっぱら私立高校出身者によるものです。私立校からの東大・京大合格者数は1,534人から2,896人へと増え,全体の中での比率も31.4%から48.9%へと大きく伸びました。

一方,多くの生徒が通う公立校はというと,合格者の実数は2,949人から2,683人へと減り,全体の中での比重も60.4%から45.3%へと減じているのです。

現在では,東大・京大合格者の半分以上が国・私立校出身者です。国・私立高校による有力大学合格者の寡占傾向が強まっていることが知られます。これがどういう問題を含んでいるかは,申すまでもありますまい。

以下、都道府県別の分析が出ているのですが、東京・神奈川では8~9割が公立高校以外の出身です。慶應や早稲田の場合も知りたいところですが、それも含めて考えると、大都市圏では事実上、国・私立高校へ行かない者にはトップレベルの大学に進む道は閉ざされているに等しいと言えます。

この20年30年を考えても、日本社会において階層の固定化が進みつつある可能性が高いです。格差があるのもある程度仕方ないと考えますし、格差が親から子に受け継がれるのも、防ぎようのない面があります。ただ、その固定化がどんどん進んで行くのは、やはりマズいでしょうね。高学歴・高収入の親のもとに生まれないと、チャンスが著しく限られる、という風になるのは。

そうしたチャンスに恵まれなさそうな家に生まれた子は、頑張って勉強しようとはしないでしょう。そして友達もたぶん、同じような考えを持つでしょうから、勉強するのはカッコ悪いとか、「いい」大学に進むなんて望み薄、といった思考に陥る危険性が高いです。こういうのがさらにその子どもに受け継がれていくと、いずれは「階級」に近いものが日本に形成されないとも限りません。

私はもとより自由主義者なので、個人の財産権を侵すような強制的な形で平等を実現することには大反対です。ただ、上記のような流れに対して「自由放任」でいいとも思えません。革命的な、あるいは暴力的な解決を求める人たちが出てこないようにするためにも、何らかの手を打たねばいけないでしょう。

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