【今週のお言葉】生は全ての人間を水平化するが、死は傑出した人をあらわにする。

投稿者: | 2006-01-18

バーナード・ショーの言葉です。冷厳な言葉だと思いますが、確かにそうでしょう。


「人の評価は棺桶の蓋を置いて初めて定まる(棺を蓋うて事定まる)」と言います。それとも通じる言葉です。偉大な人間の偉大さは、亡くなってから、しかも時には数十年経ってから、ようやく明らかになってくるもののようです。シェイクスピアにしろ、モーツァルトにしろ、同時代にはワン・オブ・ゼムだったと聞きますし。

同時代に生きていると、なかなか冷静かつ客観的に他人を評価できないものです。利害がからんでいればもちろんですが、そうでない場合でも、卑小な人間が偉大な人間を正確に知ることは難しい。「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」です。だからこそ、その人が死んで時間が経って初めて、偉大さが周りに見えてくるのです。

これは最近よく言われる「歴史認識」にも言えます。岡崎久彦氏がよく言っていますが、戦争や革命など大事件についてまともな評価ができるのは、100年も経ってからでしょう。大東亜戦争の評価も、今とはきっと違ったものになっているはずです。

我々はせめて、傑出した人間を適正に評価できるようでありたいものです。「英雄も召使にとってはただの人」で引き合いに出されるお馬鹿な召使のようでは悲しすぎますから。

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