グローバル企業と税

投稿者: | 2013-05-27

アップルという会社は好きではありませんが、この件では味方したい気分です(笑)。

アップルが海外子会社利用し税支払い回避、米上院が報告書 | Reuters

20日に公表された米上院の報告書は、アップルが税金支払いを回避するため、アイルランドの子会社に数十億ドルの利益を蓄えていたと結論付けた。

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が参加する21日の公聴会を前に、米上院の小委員会は、法人格を取得しているアイルランドにも、米国にも「税法上の住所」のない子会社3社を特定した。

欧州のアップル販売店を抱える持ち株会社が主な子会社で、過去5年にわたって法人所得税を支払っていないという。

アップルが標的になっていますが、グローバル企業であれば多少なりとも同様の節税行為、租税回避行動を取っていることでしょう。もしやっていなかったら、「財務部門は何をやっているんだ」という話になります。

近代の国家というのは、一定の領域内で徴税を始めとするさまざまな権力を行使します。一方、冷戦終結以後、人、モノ、カネそして企業活動はますます国境を越えて動くようになりました。国家の存在が「盾」となる面も多々あるでしょうが、足手まといになりかねない面が多く出てきているのも事実です。

基本的に、税にしろ規制にしろ、一つの国家だけが重いものを課すのは困難になっている、と言えましょう。そんなことをすれば、人もカネも企業も逃げていくだけ(新たに寄りつかない、ということも含めて)ですから。その意味で、現代では「主権」なるものが絶対的でないのは明らかです。

現在は過渡期です。進むであろう方向はおぼろげに見えているとしても、そこにたどり着くまでには多くの摩擦を生じるのも致し方ありません。でもグローバル化は津波とまでは言いませんが大波です。我らはそれに少しでもうまく乗っていきたいものです。波の底に沈まないためにも。

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