どっちが大切か、なんてことを時折考えます。
知性は、鍛えようと思えば鍛えることができます。もちろん一定の素地がなければ鍛えようがないですし、世界的な知性なんてのを誰もが目指せるはずはありません。でも「ある程度」のレベルには、誰でも到達できるのではないでしょうか。
一方徳性は、それほど容易に育てられない、促成栽培できるものではないでしょう。人生や生活を通じて、徐々に培われていくものかと思います。その意味で、できるだけ早くその大切さに気づき、心がけを持った方が良いです。できれば、子どものうち、若いうちから。
ではその徳性をどうやって育むのか。徳について書かれた書物、徳を伸ばすことを目指して書かれた書物を読むのもいいでしょう。でももっと効果的なのは、自分の中で「掟」「信条」のようなものを定め、生活の中でそれを貫徹することでしょうね。時には守れないことがあるかもしれません。それを反省し、さらに自分の中に深く刻み込む。そんな過程の中から、いわば道徳的人格のようなものが育まれていくのではないでしょうか。
徳性なき才人(それも、スケールの小さな才人)がはびこる世にあって、徳性ある人の価値はますます輝いていくことでしょう。