人命救助に命を懸けるべきか

投稿者: | 2013-10-08

踏切内にいた男性を助けようとして、自分がはねられてしまった女性。

あの方の通夜が、昨日営まれました。

踏切事故 故人偲び参列者100m以上 – 社会ニュース : nikkansports.com

横浜市緑区のJR横浜線踏切で高齢男性を助けようとして電車にはねられ亡くなった会社員村田奈津恵さん(40)の通夜が6日、同市内の斎場で営まれた。参列者によると、祭壇にはほほ笑む村田さんの遺影が置かれ、大勢の親族や友人が故人を悼んだ。菅義偉官房長官も、斎場を訪れて村田さんの行動をたたえる安倍晋三首相名の感謝状を遺族に贈った。自分なら同じ行動を取れるのか-。事故から5日。今も、踏切には献花に訪れる人が絶えない。

本当に、胸の痛む事故です。故人には心から哀悼の意を表します。

ただ冷静に考えると、やはり遮断機の下りた踏切に飛びこむのは「蛮勇」と言わざるをえません。今回は男性を救助することに成功したからまだしもですが、一歩間違えば二人ともはねられることだってあり得ます。女性はもちろん「まだ間に合う」と信じ込んで飛びこんだんでしょうが、計算が甘かったですね。女性は40歳。若かった頃の体力や敏捷性をもとに見積もりし、結果見誤ってしまった、という面もあるかもしれません。

一部には、この件をめぐる報道に反発する人が「美談にするのはおかしい」と言っています。でも美談ではないと思いますよ。死を悼む気持ちはあるとしても、やはり踏切に飛びこんだこと自体をほめたたえるのはおかしいでしょう。

その意味で、またしても安倍政権がこの件にしゃしゃり出てきて、感謝状を贈ったり、官房長官を通夜に派遣したりするのは、ちょっと違うんでないの、という気がしてなりません。

亡くなった女性は日頃から人助けに積極的だったそうです。我らは同様の場面に遭遇した時、命がけで人命救助に身を挺することはできませんし、すべきでもないと考えます。もう少し身近な部分、小さなところで、他人様のお役に立つように心がけたいものです。それこそが、彼女の意を継ぐことにもなるはずです。

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