日本では前から知られていたことですが、昨今はそれを見失っている企業も多いのではないでしょうか。
ついに台頭してきた、思いやりのマネジメント | HBR理想の会社ブログ|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
こうした「思いやりの時間」を従業員に対して持てば、その人の効率や生産性、パフォーマンスの向上という見返りを得られる(後悔も未然に防げる)、とウィーナーは主張する。これは単なる利他主義ではない。実際、ベントリー大学教授のラジ・シソディアの調査によれば、コンシャス・キャピタリズムを実践する企業は、そうでない企業に比べS&P500指数で10倍上回っていたという。
資本主義を毛嫌いする人は、この社会での「勝者」を冷酷な利己主義者としてイメージしたがります。でも実際には、そうした姿勢では協力などが成り立たず、ビジネスで大きな成果を挙げることができないんですね。必敗とまでは言いませんが、絶対に必勝ではありえず、勝つとしても小さな勝利しか得られないでしょう。
問題は、多くの人がこのことを認識しているにも関わらず(認識すらしていない人は、特に日本人としては論外です)、目先の利益や数字に振り回されて、結局負けパターンにはまり込んでいることではないでしょうか。わかっちゃいるけど思いやれない、といったところでしょうか。
各種の調査で示される日本人の会社への忠誠心、仕事への貢献意欲は驚くほど低いです。上記のような知見を日々のマネジメントに落とし込んでいき、「やる気」と「業績」を両立させる、それどころか両者に相乗効果を生み出すような方法論を編み出すことが、21世紀を通じての課題になりそうです。やりがいのある課題ではないでしょうか。