えげつない時代

投稿者: | 2014-01-08

遺伝子検査・遺伝子診断がにわかに普及し始めています。

今はまだ物好きやお金持ちの「余興」みたいな感じですが、10年先、20年先には社会人なら当たり前のように受けるようになるかもしれません。

感じるのは、「えげつない時代になりつつあるな」ということです。遺伝子を解析することで、体質や気質、ある種の能力のようなものがわかってしまう。努力なるものには限界があること、自分の人生は生まれによって大きく規定されていることを、誰もが否応のない現実として突きつけられながら、生きていくことになるのでしょう。

中には、こういうえげつない時代に適応しづらい遺伝子を持つ人がいて、ことさらに事実・現実と向き合うのを避けるかもしれません。事実・現実を知った上で、その中で何をしようかと考える人とは、人生の様相がかなり違ってきそうな気がします(私は後者に属する人間のつもりですが)。

えげつない時代はもう一つ、コンピューターによるビッグデータ解析からも訪れそうです。スマホや今後ウェアラブル端末が普及すれば、個人の行動や生理活動が細かく記録され、分析可能なものとなることでしょう。大量の人々と比べることで、本人も把握していないような特質やクセのようなものが浮かび上がってくる可能性があります。ここでも「わかっちゃう」というか「わかりすぎちゃう」現象が起こり得るわけです。

えげつない時代とどう向き合うか。それも大事です。その前にまずは、そうした時代が訪れつつあるということを素直に認めたいものです。

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