思い出と生きるということ

投稿者: | 2014-02-23

回想法や自分史に興味のある者としては、耳寄りなネタでした。

25歳以上の人に悲報!人生のピークは17~24歳で、それ以降はほとんど記憶に残らないことが明らかに – IRORIO(イロリオ)

米ニューハンプシャー大学の心理学者Kristina Steiner女史が、高齢者向け住宅に住む59~92歳のお年寄りを対象におこなった同調査。それぞれの被験者には、自分の人生の物語を30分間で語ってもらい、その後その物語を自分なりにチャプター分けしてまとめてもらった。すると、楽しい経験も辛い経験も含め、最も思い出が多かったのは17~から30歳の間に起きた出来事で、ほとんどの被験者が、17~24歳の期間を自分の物語の始まりと終わりだと定義していることが明らかになったという。

自分にとっても、「青春の思い出」と言えるのは高校時代から社会人数年目までのことが多いですので、ある種の納得感はあります。「そうかもね」みたいな。ただ中学生時代や20代から30代にかけてのいろんな転職経験も忘れがたいものですので、「そうとも限らんだろう」と異論を挟みたい気もします。多くの人が、似たような感じなのではないでしょうか。

同じ調査を日本の高齢者にやってもらったら、どんな結果が出るでしょうね。戦争を経験した世代だとそのことが色濃く出るでしょうから、言い方は悪いですが「ゆがみ」が出てしまうかもしれません。

現代は、過去の思い出を大事にするのを嘲笑う風潮が強いように思います。でも上記のような傾向があるのだとしたら、20歳を挟む前後3~4年の記憶を大切にすることは、自分の人生を深く味わうことにつながる気がします。それはひょっとすると、その後の人生において起こることを記憶する力を養ってくれるかもしれません。認知症予防(さらには悪化防止)にも、役立ちそうです。広く「心の健康」に役立つ、と言えましょう。

個人的には、人生のいろんな時代によく聴いていた音楽が、回想のいいきっかけになるような気がしています。10代は洋楽(英米のポップス)、20代前半はJ-POPをよく聴いていましたので、当時のヒット曲を聴くと、当時の出来事や関わった人々のことを思い出す、というわけです。

すでに多くの人が指摘していることですが、「思い出消費」的なものは、今後大きな潮流になっていくのではないでしょうか。私は上記のような理由で、それを情けないとか後ろ向きとは必ずしも思いません。

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