ウクライナ情勢を見つめる

投稿者: | 2014-03-20

クリミアがロシアに編入されることになりました。

ウクライナ情勢は、大きな節目を迎えましたね。これからロシアと米欧の対立が強まり「新冷戦」みたいになっていくのか、あるいはクリミア編入が既成事実化していって対立のエスカレートがいったん収まるのか、予断を許しません。

ウクライナそのものは、日本にとってはるかに遠い国です。ただ、対露関係は重要ですし、そして今回の事態が中国の対外的振る舞いにどう影響するかも大問題です。実のところ日本が「打てる手」「打つべき手」の手幅はそう大きくはないでしょうが、慎重な手さばきが求められます。米国を中心とした昔の「西側」諸国と離反するというのはあってはなりませんが、だからと言って米欧の尻馬に乗ってロシアを叩いておれば良い、というものでもないでしょう。我が国の国益と国際平和・国際秩序、両方を程良く追求できるラインを探るべきと考えます。

国際政治の素人たる私にすれば、日本のメディアや米欧諸国がロシアをこれほど強く批判し、制裁を加えようとしているのは、やや理解に苦しむところがあります。無関係・無権利の隣国に突如軍を送って我がものにした、というような単純な話ではないですからね。それに非難する側も、「もっとひどい例があるんだから、ダブルスタンダードじゃないか」「ウクライナの暫定政権に正統性はあるのか?」といった反論にはうまく答えられないのではないでしょうか。ウクライナや米欧が「善」で、ロシアが「悪」という図式には、とても見えません。

とはいえ、今回の事態が今後の国際情勢に与えるインパクトは並々ならぬものがありそうです。この先まさかウクライナやクリミアで戦火が上がることはないでしょうが(それを祈っています)、米欧の側に「最後は軍事的対処も辞さない」という覚悟がなければ、プーチン氏に翻弄されるだけで終わりそうな気もします。そしてその「弱さ」は、中国を勇気づけないとも限りません。というか、勘違いさせないとも・・・。

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