傍目八目とはよく言ったもので、他人の争いを第三者の立場から見ていると、時として当事者以上に深い読みができることがあります。
何らかの論争において、敵対する相手の議論を矮小化して、自分の脳内につくった「オバカさん」と格闘している人を見かけます。自分が優位に立つためにわざとやっている場合もあれば、そもそも知的な面での器が小さくて相手の議論を理解できないという場合もあるでしょう。いずれにしろ、こんなことをやってたのでは建設的な議論などできるはずがありません。時間の無駄ですし、往々にして当人は「よし、勝った!」などとほくそえんでいたりしますので、害ですらあります。
私もこの悪弊を逃れられるとは思いませんが、せめて陥らないように気を付けようと思っています。できれば、相手の議論を補足し、実際以上に立派なものにした上で論争を挑みたいものです。ここまでできる人はそうそういないことでしょう。でも何十年もトレーニングしていけば、知的な面で恐ろしく成長しそうです。最初に述べたような人では知的な成長が止まり、むしろどんどんバカになっていくのとは対照的ですね。