「保護期間70年」の衝撃

投稿者: | 2014-05-15

交渉中のTPPにおいて、著作権の保護期間を70年に統一することで合意しつつある、という報道がなされています。

TPP「知財」合意へ前進 著作権保護期間、70年に統一で調整 (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)

日米など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合は13日、ベトナム・ホーチミンで2日目の協議を続けた。難航していた「知的財産」分野では、米国と新興国の対立が解消されつつあり、著作権の保護期間は70年に統一する方向で調整に入った。関税と並ぶ難関とされた知的財産が合意に近づいたことで、交渉全体が大筋合意に向け弾みが付く可能性がある。

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交渉筋によると、著作権の保護期間については、ディズニー映画などのある米国が自国と同じ70年に統一するよう要求し、原則50年の日本やカナダなども同調。同じく50年のベトナムやマレーシアなどの新興国は著作権の使用料の支払いが膨らむことを懸念して反対していたが、新薬の特許の保護期間で米国が新興国に配慮する姿勢を示したため、歩み寄りに転じたもようだ。

映画もさることながら、小説など文芸作品において70年への延長は、痛いです。いつから実施されるのか、またすでに50年が過ぎて保護の対象から外れたものも70年になるまで保護が復活するのか、など未確認のポイントはあります。

ただ実際に70年ということになると、20年間は新たに保護を外れるものが出なくなるわけで、「停滞」となるのは否めません。「青空文庫」なども、消滅こそしないでしょうが随分と寂れてしまうのではないでしょうか。

私はこれまで法律などの反対運動に積極的に参加したことがありません。でもこの件に関しては、行動する機会があればぜひ加わりたいと思います。TPP全体については「推進派」なので、悩ましいところではありますが。

さてこれはかねてよりの持論なのですが、著作物の収入で生計を立てている人は、自らの死後、著作権の扱いをどうするか、遺言などに書いておいてほしいものです。できればその内容を、公にしてほしいですね。著作権に関してケチだからといってその人の作品を避ける、ということはないでしょうが、その人の作品と付き合う上で重要な判断材料にはなることと思います。「自分の死後はすぐに著作権フリーに」なんて言ってくれれば、好感度高まります。

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