ホリエモンことライブドアの堀江貴文前社長が起訴されました。これを機に、強制捜査から逮捕、起訴に至るまでのホリエモン騒動について、思うところを書き連ねてみたいと思います。
私の感想を一言で言うと、ホリエモンらのやったことはやったこととして裁かれて当然だが、マスコミや一部言論人の「ホリエモン・バッシング」はいただけない。そういうものです。
ホリエモンの評価
彼は常々「株式時価総額で世界一を目指す」と公言していたようです。それが本気だったのか、また万が一それが実現したところで何がしたかったのか、その辺についてはよくわかりません。今思うと、株価を上げるためのホラだったような気もします。ともあれ、はっきりしたビジョンが見えない以上、ライブドアが偉大な企業になる素地はあまりなかったと言わざるを得ません。
ただ、彼がメディアを知名度アップにまんまと利用したことは、評価しなくてはならないと思います。次から次へと話題を創出することといい、彼の独特のキャラクターといい、なかなか他に真似ができるものではありませんから。上場企業の社長なのに「ホリエモン」という間の抜けたニックネームで呼ばれていることと併せ、その点では彼はある種の「タレント」だったことは間違いありません。
バッシングについて
ライブドアの事業を全否定する言説が目立ちますが、国内発祥でしかも大企業の系列でない企業がポータルサイトを維持できるというのは、大変なことです。仮にそれがホリエモンのマスコミ露出によるバブルをかなり含んだものであるにしても。
また、売り上げ構成に締める金融事業の割合が高いことをもって「ライブドアはIT企業じゃない」と極論する向きがあります。従業員の大多数はIT関連の仕事をしているわけだから、的外れでしょう。売り上げの額の大小については、事業の性質による、としか言いようがありませんね。
いずれにしろ、既存のメディア等からライブドアおよびホリエモンへのバッシングは、自分たちの存立が脅かされているという不安を持つ人たちによる、悪意を持った貶めとしか見えません。額に汗して働こうといった陳腐な説教をする人を含め、ホリエモンの「転落」で溜飲を下げている人は、きっと自分が時代遅れになりつつあるのを無意識に感じている人だと思います。
「持てはやす」と「持ち上げる」
さて最後に。たまに「マスコミはホリエモンをさんざん持ち上げた」という人がいますが、その人は何を見ていたのでしょうか。持てはやすことと持ち上げることとは全然違います。そしてメディアに出てくるホリエモンは、いくらか軽侮の対象になっていました。そんなこともわからない人がいるとは、ちょっとお驚きです。