血液型性格診断は消えるか?

投稿者: | 2014-07-21

日本社会に広く定着しているもので「ついていけないな」というものが、いくつかあります。

血液型性格診断も、その一つ。自分の性格について「私、**型だから」ということで説明したり、相手の血液型を訊いて自分との相性を推し量ったりする人を見ると、「バカじゃないの」と内心思います。もちろん、面と向かって言ったことは一度もないですけど。

さて、このたび血液型と性格について、その関連を否定する研究結果が発表されました。血液型と性格に関連はない、というのは心理学の分野ではとうから「定説」ではありましたが、これを機に血液型性格診断をめぐる議論が再燃するかもしれません。

血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査 : 科学 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

血液型と性格の関連性に科学的根拠はないとする統計学的な解析結果を、九州大の縄田健悟講師(社会心理学)が発表した。

日米の1万人以上を対象にした意識調査のデータを分析した。「A型の人は真面目」「B型は自己中心的」といった血液型による性格診断は、国内で広く信じられているが、就職や人事などで差別される「ブラッドタイプ(血液型)・ハラスメント」の問題も指摘されており、一石を投じそうだ。

研究成果は6月25日に発行された日本心理学会の機関誌「心理学研究」に掲載された。

血液型と性格の間に関連はないはずですが、それが一定程度広まり、定着している日本では、それが一定の「リアル」であることも確かです。血液型性格診断を信じている人は自己の性格をそれに合うように形成するでしょうし、ものごとを解釈する際の「道具」として使われることもあるでしょう。バカバカしいとは思いますが、それを信じている人が相当数いる以上、社会現象を認識する上で無視するのは賢明ではありません。

その意味では、血液型性格診断自体はインチキだが、血液型性格診断をどう見るかによって、その人の考え方の一面を知ることができる、とは言えるかもしれません。まともに信じている人、話のネタとして活用している人、バカにして無視する人、そして上記のように社会の一現実として考慮に入れる人などなど、さまざまでしょう。

今回の発表を機に、血液型性格診断は日本社会で相手にされなくなっていくでしょうか。個人的にはそれを望みますが、どうもそうならないような気がしてなりません。

ちなみに、私自身は血液型なんかより兄弟関係から性格を読み解く「兄弟型」のほうが、ずっと信憑性があると思っています。これとても、決定論のようなものに陥るのは避けねばなりませんが。

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