不幸の手紙とペイ・フォワードと

投稿者: | 2014-08-25

アイス・バケツ・チャレンジ(以下、「氷水」)について知ったとき、連想したのが不幸の手紙とペイ・フォワードでした。

前者は、「次の3人に手紙を出さないと不幸になる」というもの。後者は、自分が受けた恩を直接返すのではなく、他の3人に何かをしてあげるというもの。「善意」という点で氷水はペイ・フォワードに近いかもしれませんが、構造としてはむしろ不幸の手紙に共通するものがあるように思います。氷水に共感している人は怒るかもしれませんが。

不幸の手紙も氷水も、第三者に何かを強いる、重荷や負担を拡散させるものです。それに対しペイ・フォワードは、自分が何かをしてあげるということ。一見弱いように見えますが、「恩を返したい」という人間心理を巧みに活かしている点で、結構根強いものがあると思います。一方、不幸の手紙と氷水は、関わる人を悩まし社会に対立やあつれきをもたらすという点も共通しています。その意味で、「自分のところで止める!」と決断した人は素晴らしいですし、「わかっているね!」と賞賛したいものです。

氷水は恐らく、季節が秋になるとすっかり忘れ去られることでしょう。ただこの件を素材に「善意を社会に広めるのはどうしたら良いか」ということを多くの人が考えるとするなら、流行にもなにがしかの意味があったと言えそうです。もしそうでなかったら、ただのあだ花だったと評価せざるをえません。

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