老いについての言説に触れていてよく出くわすのが、「アンチエイジング」への反発です。
そういうことを言う人はアンチエイジングを「老いにあらがう」「老いに逆らう」ととらえています。人は所詮老いていくのだから、そんなことしたって無駄だ、かえって醜い、というわけです。
確かに外科的手術を伴うようなアンチエイジングには「何もそこまでしなくても」と思うものがあるのも確かです。とりわけ日本人の感覚でアメリカ人など欧米人の中でも過激な人たちを見ると、「ついていけない」という気になるのも事実。
けれども、流行りの歌ではありませんが「ありのままで」などと言って進行する老いに無策でいるのもどうでしょうか。老いを遅らせる、あるいは老いていく中で暮らし方や生き方をそれにうまく適応させていく、ということはあっていいのではないでしょうか。
現在60歳以下の我らは、人生を80年とか90年のスパンで考える必要があります。老いに逆らうあまり人生の質が下がってしまうようでは本末転倒ですが、老いに対して何もしないというのも、能がないというか芸がないというか。アリとキリギリスの話ではありませんが、アンチエイジングへのスタンスが何十年後かに「老け具合」の違いとなって表れるかもしれませんよ。
(もっとも大多数の人はそんなことを考えることもなく行動することもなく、ありのままに老いていくんでしょうけど。)
40代半ばの私ですが、ほどほどにアンチエイジングに取り組んでいくつもりです。