議論を呼んだ「自殺」

脳腫瘍により「余命半年以内」と宣告された29歳女性が、自ら死を選んだニュース。

尊厳死予告の29歳女性が死亡 最期のメッセージは「さようなら、世界のみなさん」

アメリカ・オレゴン州在住の女性、ブリタニー・メイナードさんは、末期の脳腫瘍という診断を受け、 尊厳死の選択という患者の権利を積極的に提唱してきた。地元紙「オレゴニアン」によると、ブリタニーさんは11月1日、自宅で医師から処方された薬を服用し、家族に見守られながら29歳で死去した。

「愛する友人たち、そして家族の皆さん、さようなら」。雑誌「ピープル」によると、彼女はフェイスブックにこのように投稿している。

アメリカでの出来事ですが、ここ日本でもかなり話題になっています。

一部では「尊厳死」という言葉を使うメディアがありますが、一般に日本で「尊厳死」と言った時には延命治療の中止もしくは差し控えを指しますので、この場合は医師の幇助を受けた自殺というべきでしょうね。「安楽死」とは厳密には違うのでしょうけれど、致死量の薬物を摂取する際に医師が関与したのか、医師の処方した薬物を自ら摂取したのかは、本質的な違いではないように思います。

さてこの件は、本人が社会的な議論を巻き起こす企図もあって、動画を公開したりなど一種の「公開自殺」みたいなものになったのは確かです(死の場面を公開したわけではありませんが)。それで実際に「是か、非か」といった議論が起こっているわけです。

ただ、彼女の決断が正しかったか、間違っていたかという風な形で問いを立てるのは不毛です。特に、彼女のことを何も知らない第三者が「彼女は間違っていた!」と決めつけるのは、不遜というものでしょう。

我々にできるのは、「自分が彼女と同じ状況に立たされたらどうするだろうか」とか「家族の身に彼女のようなことが降りかかったら、どう振る舞うべきだろうか」といった点を考えることくらいでしょう。そしてできれば、家族など身近な人と話し合ってみるのが良いですね。

この件が、各国での安楽死容認に向けた「はずみ」となるかどうかはわかりません。ただ多くの人が「もしも」の時を考えるきっかけを与えてくれたのは間違いのないことで、彼女の死は多くの人の心に波紋をもたらしました。

とはいえ、彼女の場合揺るぎない決断があったからこそ自分の死に際をオープンにしたのでしょうけど、それは良かったのかどうか。私は、引っかかるものを感じます。「決行日」まであと数日というところまで迫ったとき、気持ちが揺れないとも限りません。こうして全世界に宣言してしまうと、後に引けなくなってしまうではないですか。

彼女の場合はもうやってしまったことなので、今さら何を言っても取り返しはつきません。願わくは、将来日本で同様のことをする人が現れないでほしいものです。そんなことに関係なく、安楽死をどういう条件や手続きの下に認めるのか、議論を始め、ルール化すべきです。でなければ、過激な手段や不幸な事件を招くだけでしょう。

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