「格差」とどう向き合うか

投稿者: | 2014-11-09

ここのところ、経済格差をめぐる議論が改めて活発化しています。

トマ・ピケティの「21世紀の資本論」は、その火付け役の一つです。

グローバル化や金融経済の進展とともに、富める者はますます富む一方、中間以下の層は「働けど働けど・・・」という状態に陥る。日本はまださほどではありませんが、先進国に共通のトレンドです。

あれこれ論争したり「処方箋」を書いたりする前に、まずは、世界で何が起こっているのかを把握することが必要でしょう。その上で、格差の拡大や固定化が何らかの弊害をもたらすのだとしたら、それにどう対処するのか、ということを考えなければなりません。

人によっては、累進課税を強化するということを決め手のように持ち出してきます。それは恐らく問題の解決にはなりませんし、過度に徴税を強化するのは正義に反します。富裕層の経済的自由を侵害しますからね。

さて今はあまり問題になりませんが、格差が固定化すると何世代か先には、富裕層と一般の人民が別の種かというほどかけ離れた人間に分化していくかもしれません。生殖医療や遺伝子治療、その他科学的知見を活かすことで、富裕層が見た目の点でも知能の面でも、急速に「進化」するという形で。

格差をなくせば良い、というものでもありませんし、それは別の問題を生むだけです。他方で、このまま放置していて良い問題でないのも確かです。これから我々は、格差についてイヤと言うほど考えさせられることになるのでしょう。

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