消費増税の先送り。
私はかねてから「一年半後に再増税するのは、無理がある」と思っていました。なので先送り自体はやむを得ないと思っています。ただ次に設定する増税時期は、「大不況」というほどに景気が悪いのでない限り、死守せねばなりません。
怖いのは、「首相が増税先送りを決断した」という報道が出始めると同時に「増税なんてあり得ないよね」といった空気が急激に強まっているように見えることです。この調子では、次回も「景気が良くないからダメ」という風になりかねません。そうなるといよいよ財政の持続可能性に疑問符が付くのではないでしょうか。
私が心配しすぎというなら良いのですが、まだ日本人全体には財政への危機感が薄いように見受けられます。「日本の国債はほとんどが内債だから、問題ない」といった神州不滅論みたいな珍説を信じている人も少なくないありさまです。
こうまで危機感が薄いのを見ると、「一度痛い目に遭わないと、目が醒めないのかな」と思ってしまいます。来たる総選挙では、そうしたことも考えながら投票先を決めたいと思っています。