【今週のお言葉】生まれた以上死なねばならぬ・・・

投稿者: | 2006-03-01

「生まれた以上死なねばならぬ、ということ以外確実なことはなし。」 古代ギリシアのソフィスト、クリティアスの言葉です。


当然と言えば当然の言葉ですが、「人は必ず死ぬ」という事実を銘記するためには、なかなか味のある洒落た言葉だと思います。人の死亡率は長い目で見ると100パーセントなわけですが、生きている我々、特に若者は、その事実を無視してしまいがちです。そのことが生を軽んじたり、死んだら無意味になるようなことに血道を上げたりすることにつながるのです。当たり前のことであっても、絶えず確認しておきたい事実です。

なお、これに似た言葉にケインズの「長期的には人はみな死ぬのである」があります。こちらもいずれ「お言葉」として掲げる予定です。

さてこの言葉、「生まれたものが死ぬということ以外はすべて、なにがしかの不確実性をはらんでいる」とも言い直すことができます。そのことは「絶対に信頼できるものは何もない」という形でニヒリズムにつながるかもしれませんし、逆に「死ぬということ以外は、自分たちの努力で変えられる」という風に前向きな解釈をすることも可能でしょう。そこは、受け手の世界観次第、ということになります。私自身は後者に近いと自負しています。

と、ここまで書いてきて、「Never say,”Never.”」という英語の格言が思い出されました。この世に「絶対」とか「確実に」なんてことは、そうそうないんですよね。改めて自戒したいものです。

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