「墓いらず本」を読んで(1)

投稿者: | 2006-03-07

昨日、「お墓に入りたくない人 入れない人のために-散骨・樹木葬・手元供養ほか『お墓』以外の全ガイド」 という本を読みました。(長いので「墓いらず本」と呼びます)


内容はタイトルにある通りなのですが、広義の遺言を推進する私にとって興味深い内容がいくつもありました。このブログでも、これから何度かこの本をネタにさせていただくつもりです。

まず今回は、私にとって初耳のサービス・選択肢をご紹介しておこうと思います。一般の人よりはこの分野に詳しいつもりですが、まだまだ知らないものもたくさんあるんですね。

庭園葬
京都・西寿寺が始めたものだそうです。既存の墓地の一角に庭園墓地区画を設け、自然分解する容器に入れた遺骨を埋葬するものです。樹木葬に似ていますが、理念や発想はやや異なるようです。

本山納骨・骨仏
各宗派の本山に遺骨を納める本山納骨や、お寺に遺骨を納めてそれをまとめて仏像などにしてもらう骨仏というのもあります。以前からあるものだそうですが、迂闊にも知りませんでした。仏教界としてあまり熱心に取り組んでいるわけではなさそうですが、「脱・葬式仏教」の一つの道筋として、永代供養墓ともども、今後さらに注目されてくるかもしれません。

花火葬
遺灰を打ち上げ花火で散らすというもの。海外ではいくつも実施例があるようです。本人は「潔い」と思って希望するのかもしれませんが、何かふざけた感じがして個人的には嫌悪感を持ちます。

フリスビー葬・珊瑚葬・絵画葬
ここまでくると、ほとんど冗談みたいになってきます。話のネタにはなっても、実際にする人はごく少数でしょう。どんなものかだけ紹介しておくと、フリスビー葬はフリスビー考案者が希望したもので、文字通り遺灰をフリスビーにするというもの。珊瑚葬は人口珊瑚礁の資材に遺灰を混ぜるというもの。絵画葬はカンバスに遺灰をくっつけたものに絵を描き、それを遺族の記念の品とするというもの。

こうしてみてくると、遺骨の行き先というのは非常に多様であり得るんですね。狭苦しい墓に納まるだけが唯一の道ではない、と。でも「選択肢の多様化」は一見いいことずくめのようでいて、実は新たな問題をはらむものとも考えます。それについては、また稿を改めて。

□墓いらずホームページ

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