前回紹介した、死者を蘇らせるデジタルクローンのお話。
私自身はもとより使いたいとは思いませんし、これが社会に広がるとしたら好ましいことだとは思いません。
ただ研究や実用化を法律で禁止することによって食い止めるのは、よした方が良いでしょう。そしてもちろん、それについて考えたり議論したりすることは止めようがありませんし、むしろ大いにやるべきと考えます。
本件に限らず生殖医療などでも、テクノロジーが進歩しすぎて従来の人間の感覚からすると「グロテスク」と言っていいようなことまで実現可能となりつつあります。そうしたものを法で禁じるというのはやはり下策で、できれば人類が良識を働かせた結果テクノロジーがあまり使われなかった、というのが理想です。
テクノロジーを禁じたところで、問題の解決にはなりません。それを善用する途を探る。あるいは弊害をわきまえた上であえて使わない。テクノロジーの進歩にあわせて知恵も成長させるためには、そうした方向しかあり得ないのではないでしょうか。
恐らくデジタルクローンについても、大して普及はしないと踏んでいます。楽観的すぎますかね。でも別途記事にしようと思いますが、人類にとってもっと問題になるのは生身の人間の仮想クローンよりも、最初から仮想の存在として生まれた人格(?)との付き合いになっていくと予想します。現代だって人の死よりペットの死の方が悲しいという人がいるくらいですから、きっとそのうち実現する未来のはずですよ。