終末期医療に携わる医師の本をよく読みます。テレビでそういう人が出るときも、積極的に観るようにしています。
そんな中で感じるのは、生前準備を「必要ない」とか「無意味だ」という人はほとんどいないと言うことです。自分の中では、そういう人にめぐり合った記憶がありません。「必要ない」とか「無意味だ」ということを言うのは、主として作家・学者・僧侶といった人たち。私に言わせれば「机上の空論」が許される人たちということになります。
この点は勇気づけられるところです。また私としては必要か不必要か、是か非かといった議論には興味がありません。それぞれの人が、どのような生前準備をしたら良いのか。関心はそこにあります。
多くの人に、自分の頭で考えて生前準備をしていただきたい。そしてその一端を公開していただきたいものです。先人の実例がモデルケース、カタログのように整理されれば、あとに続く人の思考を刺激し、さらにより深く充実した生前準備の例を生み出すはずです。何世代も掛けた試行錯誤によって、我が国に新たな「死の文化」のようなものが形成されていくのではないでしょうか。
団塊の世代の人たちには、ぜひともそのさきがけとなっていただきたいものです。