永代供養墓の草分けである「安穏廟」で有名な新潟・角田山妙光寺。この寺が、一般人にも門戸を開いた「後継住職募集」を始めて話題になっています。
早くから開かれた寺を標榜してきた妙光寺では、外部から後継住職の候補を求め、育成しようとその策を模索してきました。同時に、真摯に宗教を学び、人々のために人生を生きてみたいと考える人の場に、寺はなるべきだと考えています。
住職と言えば世襲が当たり前というイメージがありますから、かなり新鮮な感じがします。ただ実際には、世襲というのは明治以降に定着した慣行であって、今回の試みはある意味で伝統回帰という側面もあります。有能な弟子が寺という社会的装置を継いで行くのが本来のあり方なのでしょう。
ともあれ、後継者難は多くの寺に共通の悩みでしょうから、この妙光寺の試みには期待・注目したいと思います。うまく行けば全国に広がるかもしれませんし、お寺のみならず、様々な事業や産業における後継者育成に大きな励みとなるかもしれません。少子化と価値観の多様化が進む我が国では、「世襲」そのものが容易なことではなくなって来ていますから。
それにしても、妙光寺の小川英爾住職は革新的な方ですね。仏教界にはやっかみ半分で悪口を言う人もいるでしょうが、きちんとした理念を持った上での革新ですから、功績は功績として認めてあげないといけないと思います。