デスカフェって、日本ではまだ「海外ではこういうのがあるらしい」という情報が伝わっているだけで、実践しているケースはほとんどないのではないでしょうか。がんサロン・がん哲学カフェや認知症カフェというのは、急速に浸透しつつあるみたいですけど。
"最期のとき"まで人生を楽しむために…スイスの村から世界に拡がる異色カフェ | World Biz News | 現代ビジネス [講談社]
近年、「死」について語り合う〝デス・カフェ〟が世界各国で注目を集めている。
このブームは、およそ10年前にスイスのヴィソワ村在住の社会学者、バーナード・クレッタズ(78)が妻の死を契機に、「死」についてカジュアルに話す会を開いたことが発端だった。2004年に、彼がスイスのヌーシャテルという街のレストランで初めてデス・カフェを開催したところ話題を集め、スイス各地で行われるようになったのだ。
さらに、10年にクレッタズがパリで開いたデス・カフェが英メディアに取り上げられると、それに触発された英国の社会起業家ジョン・アンダーウッドが自宅でデス・カフェを開催。ウェブサイト「deathcafe.com」を開設し、クレッタズの功績とカフェの運営方法を投稿したところ、このコンセプトは英国でも大ヒットした。いまやデス・カフェは世界29ヵ国で、のべ約1666回開催されている。
日本に導入するには、まず名称からして工夫が必要でしょうね。「デスカフェ」や「死のカフェ」では、多くの人を呼ぶのは難しいでしょう。「生と死を考えるカフェ」あるいは「死生学カフェ」あたりになるんでしょうか。個人的には「ごくらくカフェ」なんてのはどうだろう、などと考えています。
そして話題。何について語るかも重要です。机上の空論で考えるなら
- 自分が死ぬことについてどんな思いを持っているか
- 身近な人を喪って感じたこと
- 死ぬまでにしたいこと
- 理想の死に方や葬式
といったテーマが使えそうです。話が盛り上がり深まるものとそうでないものがきっとあることでしょう。この辺は、実践を積み重ねていく中でノウハウみたいなものが蓄積されていくのではないでしょうか。
「デスカフェを日本に広める」というのは、一生ものの志になりえるテーマだと思います。私自身がそれを志にすることはないですが、仮にそうした人が現れればいわば隣接分野の人間として、できる限りのお手伝いをさせていただきたいと思います。もちろん私自身もその場に参加して人々と語り合ってみたいです!