「墓いらず本」を読んで(2)

「墓いらず本」にまつわる考察、第二弾です。この本では「こんな方法もある」といった感じで様々な葬送方法が紹介されています。基本的には選択肢の多様化を是認、もっと言えば推進する立場だと思います。


私も選択肢の多様化はおおむね好ましいことと考えますが、それを手放しで賛美することには、ためらいを覚えます。多様化といっても、結局はお店でいろんな商品の中から選ぶといったレベルでの薄っぺらな多様化でしかないのではないでしょうか。よく「自分らしさ」という言葉が使われますが、Aの服を着るかBの服を着るかといったことと変わらない程度の「らしさ」ではないのか、と。

なぜこんなことを言うかと言えば、こうした皮相なレベルでの選択の多様化であったなら、何を選ぶかは本人の「好み」の問題に過ぎず、別の新しいものが出てくれば目移りしたり、すでにした自分の選択を後悔する可能性が高いからです。

葬送は単なる消費の道具ではありません。肝心なのは、人々が自分の生き様や価値観に即した葬送の形式を選び取れるかどうかであって、選択肢が多いことそれ自体は、必ずしも重要ではないはずです。

私は、そんな風に考えます。

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