経済成長は無理なのか

投稿者: | 2015-04-27

少し前、アメリカでバーナンキ前FRB議長とサマーズ元財務長官が論争を繰り広げている、というのが話題になりました。

バーナンキの理論対サマーズの実証―長期停滞論めぐり – WSJ

マクロ経済学の二大巨頭が先週、ブログ上で激しい論戦を交わした。前米連邦準備制度理事会(FRB)議長のベン・バーナンキ氏と元米財務長官のラリー・サマーズ氏が、超低金利が続いている理由について議論を闘わせている。

サマーズ氏は1年以上にわたり「長期停滞論」、つまり、慢性的需要不足が原因という説を唱えている。バーナンキ氏はこれに反論し、景気循環と特殊要因が背景にあるとしている。いずれの議論も説得力がある(そして、面白い)。

サマーズが唱える「長期停滞論」に対しバーナンキが異論を差し挟む、といった構図のようです。世界経済の現況をどう見るか。それは当然金融政策などの「処方箋」も左右しますので、非常に重要な議論です。そしてこれほどの知性が対照的な見方をするということは、コトが一筋縄ではいかないことをも示しています。

日本でも、経済学者の方々にはおのれの立場を明らかにし、ぜひ論争に加わっていただきたいですね。

私は経済学に関しては「ど素人」同然ですが、現時点ではサマーズの立場のほうに説得力を感じます。停滞が一時的なものと考えたり、金融政策などで容易に打破できると考えていると、バブルを招来したり景気変動の波を大きくしたりして、かえって弊害が大きくなるのではないでしょうか。ボチボチ成長できれば上出来、と考え、できること・すべきことを地道にやっていくのが賢明かと。

一方日本では、脱・経済成長のような一種の敗北主義を唱える人たちがいます。これはこれで賛成できません。少なくとも日本においては、成長のためにできること・すべきことをやり尽くしたと言うにはほど遠い状況ですから。お手上げするのは、その後で良いのではないでしょうか。今の段階で脱・経済成長なんてことを言うのは、改革をサボるための口実でしかありませんよ(提唱している人は、端からそのつもりなんでしょうけど)。

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