人生100年時代

投稿者: | 2006-03-18

我が国では、よく「人生80年」と言われます。近頃アメリカの学者が、先進各国では2030年までに、平均寿命が100歳程度まで伸びるとの予測を発表しました。

先進国の寿命100歳へ 30年までに、米学者が予測(共同通信:Yahoo!ニュース)


このニュース、私には二つの点で興味をそそれらます。まず、平均寿命が100歳まで伸びるとして、それを可能にするのはどんな要因か。次に、平均寿命が100歳となったとき、社会のありようや人々の人生設計は今と比べてどう変わるのか。

前者について言えば、最初に医療の進歩が挙げられるでしょう。ただそれ以外に、病気にかかるリスクを低減する様々な技術やサービスも大きな役割を果たしそうです。具体的には、サプリメント、脳や体を鍛える器具、健康維持・増進のための諸サービスなどなど。すでにその兆しは見えますが、「健康で長生き」というのが今後ますます社会の大きな関心事となっていくことでしょう。

次に後者について。社会保障や労働慣行など社会の諸制度が大きな見直しを迫られるのは不可避でしょう。たとえば年金制度や定年制など。それに伴い、人々の意識も大きく変わると思われます。まず、人生の途中での転進やいわゆる第二・第三の人生というのがすべての人にとっての課題・関心事となるでしょう。また、社会の平均年齢が上がることで、世の中全体の雰囲気も、良く言えば大人志向になっていくことが期待されます。

我が国の場合、長命化に少子化が伴っているために、経済的には先行きはあまり明るくありません。ですが、社会や文化の面では、一皮剥けるチャンスでもあると私は思っています。

ところで「人生80年」という言葉ですが、我が国の女性に限っては、その表現はもう時代遅れになりつつあります。平均寿命は86歳近くありますし、寿命中位数では88歳を超えているのです。もう「人生90年」に手が届きつつあるんですね。

日本人の平均余命(厚生労働省)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください