出版の世界では、いろんなトレンドが生まれては消えていきます。
最近だと、やたらとタイトルに「一流」を付けるとか(笑)。
そんなトレンドの一つに、100歳過ぎた人が生き様や人生訓を書く、というのがあります。最たるものは美術家・篠田桃紅さんの「一〇三歳になってわかったこと ~人生は一人でも面白い~」でしょう(既に50万部近く売れているとか)。
アマゾンの「この商品を買った人は・・・」欄には他にも「111歳、いつでも今から」「107歳 生きるならきれいに生きよう!」「100歳の幸福論。 ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣 」「104歳になって、わかったこと。」といった本が現れます。いずれも女性著者による本という共通点がありますね。あと、表紙や帯に顔写真が載っていて「これで100歳過ぎているのか!」と意外感を持たせるところも共通。
高齢者がよく「60過ぎてわかったことがある」「70歳までは何にも分かっていなかった」といったことを言うことがあります。年齢を重ねることで初めて見えてくるもの、得られる気づきというのが確かにあるようです。
100歳を超えてなお生きる人の言葉に耳を傾けておけば、自分が年齢を重ねたときにそうした気づきを得やすくなるかもしれません。ちょうど山道を行くとき、先行する人の足跡がいくつもあって、「この道を進んでも大丈夫そうだ」と示してくれるように。
100歳を過ぎた人が書いた本がベストセラーになる、というのは今後もちょくちょく発生する現象となりそうです。いずれは110歳超えの著者が現れるかも。できれば男性もそこに加わってほしいですね。かねてから売れっ子著者である日野原重明医師(103歳)は有力候補ですね。