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お金と寿命と

金融庁ワーキンググループ報告書の余波が収まりません。

野党や一部メディアは明らかに参議院選に向けた「政争の具」にしようとしているので、収まるはずもありませんよね。なおこの報告書の仮タイトルは「高齢社会における資産形成・管理」です。「老後2000万円」をことさらに強調するのは政治的に悪用しようという意図がミエミエなので、やめたほうがいいと思います。

それはともかく、議論の大前提は

  1. 少子化で年金財政を支える世代が先細る
  2. 長寿化がまだまだ進む
  3. 経済の飛躍的な成長が見込めない

という中にあっては、年金の給付水準を切り下げざるをえない、ということです。避けがたい近未来の展開なので、これ自体を良いとか悪いとか言っても仕方ありません。その厳しい現実にどう対処するか、が問われているのです。

ただし年金財政に対する不安が必要以上に強調されると、ますます消費が冷え込んで経済成長が停滞、さらに年金財政を悪化させる、という悪循環に陥りかねません(今の日本は既にそのワナにハマっている、とも言えますが)。

非現実的なバラ色の未来図を振りまくのではなく、実現可能な対策、そして国民がある程度明るい将来展望を持てるような対策を立案・実行するのが何より大切です。これは与野党など政治的立場に関係なく、真剣に知恵を絞ってもらいたいものです。

個人的には、資産が底をつき、健康や知力も衰える一方、日本社会の厄介者になるのが心苦しくなったらこの世からオサラバする、というのも一つの選択肢かと思っています。それも、有力な選択肢。もちろん私自身も、一定年齢以上になったらその覚悟を持って生活するつもりです。たとえば80歳とか83歳とか、85歳とか。

だってこの先も医療の技術が進展し、限りなく寿命が延ばせるようになったら、寿命をまっとうするまでにかかる生涯医療費はさらにうなぎ登りになるかもしれません。他方で、上にも書いたように社会保障を支える側は人口が相対的にも絶対的にも減っていく。極端に図式化すると、高齢者の生活およびいのちを支えるために現役世代が働いている、ということにもなりかねません。その世代が年老いたときには、現役世代はさらに先細るというのに。

今は、早く死にたいと言えば「なんで?」とか「もっと生きなよ」と言われてしまいます。けれど将来の日本では、社会保障の厄介になっても長生きしようとする人にこそ「なんでそうしてまで生きたいの?」と言われるようになるでしょう。

綺麗事言ってその流れに抵抗しようとすると、かえって怒りや憎しみが渦巻くイヤな社会になりますよ、きっと。

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