いろんなところで格差とか二極化みたいなものが起こっているのでしょうが、本を読む人と読まない人の差も広がっているのではないでしょうか。
ウェブつづいてスマートフォンが暮らしに浸透したことで、本を繙かなくても情報を浴びたり娯楽を享受できるようになった。それであまり読まない人はその量が減り、もともとあまり本を読む習慣のなかった人はますます読書から遠ざかっている、と。
他方で私のように読書習慣が確立してしまっている者にとっては、ネット通販や電子書籍を活用することでますます多読になっています。もちろん、市の図書館も大いに利用していますし。
さて心配は、そうして二極化が進むと結局本を読む人がどんどん少数派になってしまわないか、ということです。世の中が高度化するにつれて関心も多様化していますので、一冊一冊の読者は減っていく、すると出版する機会はどんどん狭まって行くのかもしれません。あるいはブログみたいにタダで読めるようにするとか。
水村美苗の「日本語が亡びるとき」を読んだのは、10年以上前です。そう遠くない将来、知的関心のある者は日本語での情報受発信から退き、英語やもしかすると中国語を「舞台」にするようになるのかもしれません。そのことはますます、日本人の平均的な知的レベルを下げるおそれがあります。
今のところ、日本列島に暮らし続けここに骨を埋めるつもりの私にとっては、由々しき問題です。このブログ自体、日本語で書いているわけですが、この程度の内容すら将来世代の日本人に理解不能なんてなったら・・・。