この1週間あまり、メディアではSTAP細胞をめぐる疑惑で大騒ぎです。
STAP細胞という言葉を初めて耳にしたのが1月の末でしたから、わずか1月あまりでの転変です。メディアは翻弄されているとも言えますが、二度も大きなネタが飛びこんできて、おいしい思いしているでしょうね。いわゆる「持ち上げて叩く」の典型的パターンです。しかも今回の疑惑は、まだ当分ネタ切れにならないでしょうし。
さて当面の関心は、
- 小保方氏はなぜこんなこと(他論文の流用・データねつ造、さらにはSTAP細胞そのもののでっち上げ)をしたのか
- それを理研などが見抜けなかったのはなぜか
ということです。
当初の発表が事実なら「世紀の大発見」だっただけに、それがインチキだったとなれば世紀の大スキャンダルです。そもそもそんなウソをついたってすぐにばれるのは明らかですから、なんでそんなことをするのか、全く解せません(かく言う私は、この期に及んでも「STAP細胞そのものは、生成できるのかも」という期待をまだ捨てていないんですが)。
興味深いのは、この騒動をめぐる人々の反応もそうです。STAP細胞そのものより小保方さん個人にスポットが当たり「リケジョ」ともてはやされたせいか、擁護する側も批判する側もやや感情的というかムキになっているようなところがうかがえます。中高年の男性研究者が「主人公」だったら、世間の受け止め・反応は全く違ったものになっていたでしょうね。
個人的には、発表時にSTAPを過度に賛美した人も、今躍起になって理研や小保方氏を嘲笑している人も、どっちもカッコ悪いと思います。
ちなみにSTAP細胞のニュースに接した直後のエントリーが、こちら。
見届けたい! | 志の輪、広げよう。 (2014-01-31)
今となってはバツの悪い内容ですが、さすがに消したりはしませんよ。幸か不幸か、生命科学の発展全般について語っている部分がメインなので、STAP細胞がインチキだったとしても論旨は変わりませんし。