11日のエントリーで、少子化の大きな原因の一つが、晩婚化・非婚化になることを確認しました。
では、その晩婚化・非婚化はなぜ進行しているのでしょうか。いろんな理由を挙げることができるでしょうが、私は次の3つが特に重大だと考えています。
高学歴化
この30年ほどの日本社会の大きな変化の一つに、大学進学率の上昇があります。ここ数年は頭打ち傾向にありますが、女子の45%、男子の55%ほどが大学に進学します(女子の場合、それとは別に10%あまりが短期大学に進学)。大学教育の質・中身についてはさておき、高卒と大卒では社会に出るのが4年以上(つまり、浪人や留年もあり)遅れるわけで、大卒者が増えるほど全体の婚期が後にズレるのは当然のことと言えます。
男女の収入格差の縮小
昔は男女の収入格差がはっきりしており、フルタイムで働く男性と補助的な職種に就いている女性とがはっきり分かれていました。男性と同等もしくはそれ以上に稼ぐ女性は、専門職など一部に限られていました。今では、男女でそれほどはっきりした格差はありません。あるとしたら、企業規模による水準の違いや、正規・非正規といった雇用形態による違いでしょう。こうしたことが「結婚できない男」「結婚しなくていい女」を生んでいると考えられます。
恋愛事情(あるいはセックス事情)
これは上記の2つほど統計や数値として表れないので微妙なところですが、かなり重要な点と考えられます。20年前や30年前までは「結婚するまでは純潔を守る」というのがまだ規範として生きていました。実際守られているかどうかはともかく。今ではそんなことを口にするのすら憚られるような風潮ではないでしょうか。恋愛・セックスと結婚が直結しなくなっている、と言って良いと思います。
※この点に関しては、最近私の関心にマッチした記事を相次いで見つけましたので、さらに別のエントリーで掘り下げてみることにします。
さてこうした要因・理由はそれとして、結果として「**歳くらいまでに結婚しているのが当たり前」という観念が急速に薄れており、それがさらに晩婚化・非婚化に拍車を掛けていると考えられます。悪循環と呼ぶべきかどうかは、見方が分かれるでしょうが。
訊かれれば「いつか結婚したい」と答える未婚者が大半だと思います。でもそれは「良い相手に巡り会えれば」という条件付き。といって、婚活というほど必死になってお相手探しに奔走している人は一握りしかいないのではないでしょうか。ダラダラと出会いを待ち、いつの間にか年を取っていた。30歳以上、あるいは35歳以上の独身者は、そうした人の方が多数派だと見ます。