天皇陛下が譲位のご意向

投稿者: | 2016-07-15

昨日、驚くべきニュースが飛びこんできました。

報じたのはNHK。それも夜7時のニュースに合わせるようにスクープしてきましたね。その後報道各社も追随しました。直後に宮内庁次長が、NHKなどの報道を全否定する一幕もありましたが。

天皇陛下 「生前退位」の意向示される|NHK NEWS WEB

天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示されていることが分かりました。数年内の譲位を望まれているということで、天皇陛下自身が広く内外にお気持ちを表わす方向で調整が進められています。

できるだけ早期に、陛下ご自身の口から本件についてのお気持ちを述べていただきたいと思います。東日本大震災のあとにあったような、ビデオメッセージという形でも良いですので。

さて退位の話ですが、ご本人が「辞めたい」ということであれば、国民としてもこれを受け入れるしかありません。30年近い「お務め」に感謝するとともに、皇后陛下とともに静かな余生を送っていただくのを祈るのみです。

ただ、ことは皇室典範改正を要する話です。明治以来天皇が終身の地位とされてきたことにはそれなりの合理性もあり、仮に生前退位を「あり」「できる」とするなら、どのような条件の下、どのような流れで退位するようにするかは、割に厄介な問題です。退位や皇位継承をめぐって皇室内で紛争や確執が起こったり、時の政治状況に巻き込まれたりしかねませんからね。

皇室典範改正をめぐる議論、今後熱を帯びそうです。

ついでにと言っては何ですが、以前話題になった女性天皇・女性宮家のことなど、皇統の維持に関わる議論もこの機会に再開した方がいいのではないでしょうか。その際、天皇陛下など皇室の方々のご意見・お気持ちをうかがい、それが最もより良く実現できる方向で制度改正を図るのが、結局は一番うまくまとまるような気がします。

陛下がこうして退位の意向を持ち、すでに息子である皇太子・秋篠宮両殿下にも伝えられたということは、皇統の維持についての危機感もあるのでは、と推察します。自分の代で(というか、自分が生きている間に)「道筋を付けておきたい」という。あともしかしたら、皇太子ご夫妻の天皇皇后としての資質に不安を持ち、自分が生きている間にある程度見届けておきたい、という思いも少しはあるかもしれません。

一部には、憲法改正論議とこの件をからめて、自分の政治的主張の「ダシ」につかっている人たちもいます。そういうのを封じるためにも、できるだけ早く陛下ご自身が国民に向けて語られるのを期待します。

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