民俗学者の大月隆寛氏が、産経新聞のコラム「断層」に「大学最前線の現実」という文を寄せています。
やたら中味が詰め込んであって、サラっと読み流せない文なのですが、後段に今の大学の「病状」が列挙してあるので、メモの意味で抜粋しておきます。
- 学費を払えなくなる学生が静かに増え続けている
- 奨学金を親が生活費として流用する例も珍しくない
- 高卒での就職が難しい分、商工業系の高校、急増したフリースクールや通信制高校からも進学希望者は当面微増
- 一方、これまで何とか維持されていた「大学」への期待に翳(かげ)りがありあり
- いまや三年の今ごろから「就活」で、学生らしい期間はほぼ二年、かつての教養課程程度
- 「初年次教育の充実」てな能書きと共に「ゆとり教育」の尻ぬぐいまで全部現場に
「改革」の掛け声は、私が大学にいた20年ほど前から響いていました。それにより現場は随分振り回され、むしろ本業がおろそかになりかねないほどだと聞きます。それなのに、改革の成果といえるものは乏しく、むしろ事態が悪化したり新たな問題が生じたケースも少なくない。
問題・課題を的確にとらえ、それに効果的に対処して着実に成果を上げる。言葉で言えばこれだけのことを、今の日本人はまともにできなくなっているのではないか。大学改革に限らず、そう感じることが最近少なくありません。
言ってみれば、一億総無能化です。これこそが、亡国の兆しなのかもしれません。