遺贈寄付を推進する者としては、「受け皿」にも関心を持たないわけにはいきません。
かねてより縁のあるNPOなどがあれば、そこに寄付することになるでしょう。では、そうした宛てのない人、あるいはそれ以外のNPOや分野に寄付したい人は、どうすればいいか。
そこで受け皿としてのファンド、銀行、あるいは「寄付の投資信託」みたいなものの出番となります。金融関係のビジネスや法律には疎いので、細かくて実効性のある提案はできませんが、おおよそ次のような感じとなるでしょう。
- 対象となるテーマや分野を決めて資金を受け入れる
- もちろんその運営主体も「非営利」
- 専門的な分析をもとに、資金のあて先を選定
- 金だけでなく、知恵や時には人も出す
- 一般の金融マーケットでの運用も行い、資金を増殖させる
古き良き時代の街の小さな銀行、地銀や信金・信組の役割に似たところがあるかもしれません。民間金融機関や、政府系金融機関を経験した「金融のプロ」がこの分野に参入してくることは、ぜひとも必要でしょう。この分野が自前でプロを育成できるほど成熟するようになるまでは。
ちなみにノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行のムハマド・ユヌス氏は、ソーシャルビジネスの証券市場、といったものを提唱しておられます。どんな構想なのか、これもいずれ研究してみます。この点で、「成功」した社会起業家が次の世代のために、知恵を出し、労力を提供し、同時に金を出すことはとても重要と考えます。こうした連鎖を通じて、この分野がどんどん活性化していく好循環が生まれるでしょうから。
昨日こんなことをつぶやきました。本気で、こう考えます。
一般の方は「年収の1%以上、遺産の10%以上」を寄付するのが常識になるといいな、と思っています。一方社会的セクターに身を置く人は、「年収の10%以上、遺産の50%以上」が妥当じゃないでしょうか。。。