昨日の正午頃、国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンが米軍によって殺害された、というニュースが世界中を駆け巡りました。
私は例によってTwitterで第一報を知りました。その後しばらくの間、私が目にする3分の1から2分の1のつぶやきが、このニュースに関するものでした。率直に言って、これで「テロとの戦い」が終結に向かうはずはありませんが、大きな節目となるであろうことは、確かです。
夕方になり、テレビのニュースを観たのですが、ホワイトハウスやニューヨーク・タイムズスクエア近辺で歓喜にわくアメリカ人が映し出されていました。9.11テロからまもなく10年。かの国の人は、9.11とその後の戦争で多くの犠牲者を出し、さらに日々の生活でテロの恐怖におびえ、あるいは厳しくなったセキュリティに息苦しさを感じ、いろいろ「たまって」いたのでしょう。日本人から見ると、いくら悪人とはいえ、人の死をあんな風に喜ぶのは違和感ありまくり、ですが。
ビンラディン死亡、ホワイトハウス前で「USA!USA!」の大合唱で大騒ぎ中のムービー&フォトまとめ – GIGAZINE
なおビンラディンの遺体は、すぐに水葬されたそうです。イスラムの慣習に従って手厚く葬りたくはないし、かといって火葬にして無用の反発を招きたくない、ということでの苦肉の策でしょう。遺体を奪還されたり、埋葬して聖地化するのも困るという配慮もあったでしょう。それにしても、海上でなくなった場合を除き、異例な葬法ではあります。
ビンラディン容疑者殺害:イスラムで異例の水葬 作為疑う声も – 毎日jp(毎日新聞)
さて我々の関心は、今回の殺害によりアルカイダなど過激派イスラム勢力のテロが収まるかどうか、です。短期的には報復テロが発生するのは確実でしょうから、中長期的に見て、という話ですけど。アルカイダは弱体化の方に進むのかどうか。それとも、なおテロ集団として人やお金を集め続けるのか。
- アルカイダの実権は既に、ナンバー2とされるザワヒリに移っている
- アルカイダは上意下達の組織というより、多数の「細胞」からなるネットワーク
といった点で、効果を疑問視する言説が多いようです。過度の楽観をせず、引き続き「テロとの戦い」を進めたいものです。日本も、文明国として民主主義国として、それに積極参加すべきだと私は考えます。もちろん、軍事的貢献がすべてじゃないですよ。そもそも日本がそれについて貢献できることは、限定的ですし。
ネットでは、アメリカもアルカイダもどっちもどっち、といった意見が目に付きます。でもそれには与したくありません。テロはやはり、文明の敵ですからね。