「ステマ」忌避に感じる違和感

投稿者: | 2012-01-11

このところ「ステルス・マーケティング」、略して「ステマ」という言葉をネット上でよく見かけます。

突然「ステマ」がネットで多数HIT | ニコニコニュース

1月4日、Googleの検索急上昇ワード上位に「ステマ」がランクインした。このことについて、ネット上で驚きの声が多数あがっている。ステマとは、「ステルスマーケティング」の略称で、「宣伝であることを明示せず、宣伝行為を行うこと」を意味する言葉だ。「ステルス」は、レーダーに捉えられにくい「ステルス軍用機」からきている表現だと思われる。

「ステマ」の例として、ブロガーや芸能人が企業や広告代理店から依頼を受け、自身のブログなどに「この美容クリーム、ものすごく効果あるの!」と商品を紹介するような記事を書くことが挙げられる。知らず知らず多くの“ステマ記事”を目にしていると思われるが、このように、お金が動いているにもかかわらず、あたかも本気でその商品を愛用しているかのように書くことに対し、倫理上の問題を指摘する声もある。

日本では古くから「サクラ」として知られていたものかと思いますが、ネット上で口コミやレビューが一定の影響力を持つようになったために、別の言葉で呼ぶことが定着しつつある、といったところでしょうか。

確かに陰で金を受け取っていながら宣伝行為に加担し、それを宣伝と明示しないのは問題あるでしょう。「宣伝」と明示するのがルールでありマナーであると私も考えます。また後になって宣伝だったことがバレれば、依頼した企業はもとより、その情報発信者やメディア(ブログなど)への信頼が失墜するのも仕方ありません。

ただ「ステマ」に引っかかるのを忌避するあまり、自発的なおすすめまで、「それって、ステマじゃないか?」と疑いの目で見るのは、あまり建設的ではないだろう、とも思います。ここ数日、某巨大掲示板を見ることが多いのですが、何か話題があるとすぐに「それステマだろ」と突っ込む者が現れるありさま。これはちょっと行き過ぎじゃないでしょうか。

しばらく前に「嫌儲」というのがありました。ネット上でお金儲けしようとする行為(アフィリエイトなど)をひどく嫌うことを言います。一部のユーザーとはいえ、商行為やビジネスというものに極端な嫌悪感を持っている人がいるように感じます。良く言えば純粋、悪く言えば世間知らずな人が。

あまり考えられないことですが、こうした考えの人が増えたら、資本主義は成り立たなくなる気がします。ステマの問題点は私も同感ですが、あまり神経質に「ステマじゃないか・・・」と何でもかんでも疑うのも、ほどほどにしておいた方が良いのではないでしょうか。

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