民主主義のやっかいさ

投稿者: | 2012-04-28

民主主義をやめるべき、とはさすがに私も考えていません。

ただ一部の人のように、民主主義を手放しで礼賛する気にはなれませんし、直接民主主義にすれば政治は今よりもっと良くなる、という楽観論にも与することはできません。

最近つくづく感じるのは、世論調査や選挙を通じて示される「民意」というものの厄介さです。民主主義を採る以上、民意の指し示すところに従うのは当然です。でもその民意が自分の考えと違っていて、民意の方向に進むことが、社会全体にとって私個人にとって望ましくない結果をもたらすとしたら・・・。

だから民意に従わない、というわけではありません。ただ本音を言えば、そうした民意との乖離がある中で、自分が危害をこうむるのは最小限にして欲しいものだ、と感じます。自由主義の原則に「愚行権」がありますが、他者の意思決定により自分が迷惑を受けるのは最小限でお願いしたい、というのも自由主義者に共通する思いなのではないでしょうか。

最近の例で言えば、民主党政権が誕生したこともそうですし、原発再稼働問題もそうです。あるいは消費税増税やTPPへの参加にしたって、野田首相地自身は前のめりですがスンナリ通るかどうかはいまだに不透明なありさまです。野田政権が崩壊したら、「消費税増税撤回・原発再稼働せず・TPP参加せず」を掲げる人が総理になってしまう可能性はかなりありそうです。それこそ、民意に従うなら。

誰しも、民主主義が抱えるこうしたやっかいさについて、一度考えてみるべきではないでしょうか。前の段落で言ったようなことについて、私と意見が異なる人でも、何かの時に「民意にはついていけない・・・」と感じるかもしれませんよ。

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