「生命保険と遺言書はセットで考える!」という記事を読みました。
生命保険ももちろん大事なものですが、それに反映される死者(被相続人)の意思は、わずかに死亡保険金受取人の指定ということでしかありません。「生命保険と遺言書はセットである」べきです。
やはり、自分の意思を残された遺族のためにしっかりと伝える方法は遺言書以外にはないのです。自分の意思を明確に家族に伝えることが、残された家族のためにいまできることなのです。
私もこの文にあるように、サラリーマンになりたての頃、生保レディのオバちゃんに勧められて、保険に入りました。ちょうど「リビング・ニーズ特約」が一般化し始めた時期でしたね。受取人は親を指定。「いずれ結婚したり子供ができれば、妻や子に変更すればいい」と考えていたわけですが、今思えば、準備が早すぎましたね。40歳近い今でも、独身なんですから。
さて、この方は「生命保険と遺言書はセットであるべき」とおっしゃっています。遺言コンサルタントとしては、遺言が生保並みに普及することは歓迎したいですが、両者の性質の違いも指摘しておかねばなりません。生命保険は早死にリスクに備えるためのもの。遺言(ここでは法的な遺言、つまり「いごん」)は死後の財産処置について指示するもの。ちょっと次元が違うんですね。共通することといえば、お金に関わるということと、死によって発動するということくらい。
実際上は、生命保険が役立つような若死にのケースでは、遺産分割がもめることはあまりないんじゃないでしょうか。親の財産がかなり長男に行っていてその長男が死亡、夫婦には子供がいない、なんて場合に、兄弟が財産分与を求める、というケースくらいしか思い浮かびませんがね。
ともあれ、生命保険と同じくらい遺言にも目を向けよ、という主張そのものには賛成したいですね。
ちなみに「*点セット」ということでは、中山二基子弁護士は「ホームロイヤー契約・財産管理契約・任意後見契約・遺言書」を老いじたく4点セットとして提唱されておられます。私は、「法的遺言・終末期医療についてのリビングウィル・自由遺言」を遺言3点セットとして提唱しています。