クラウドソーシングとこれからの社会

投稿者: | 2009-06-18

「クラウドソーシング」という本を読みました。大げさかもしれませんが、人生観・社会観を変える一冊となりました。

クラウドソーシングを私なりに定義すれば、群衆の知恵・知識・情報を活かして、価値ある成果物を生み出す営み、とでも言えましょうか。みんなで作ったものが、専門家やプロと呼ばれる人の手になるものを凌駕することが、珍しくないんですね。

こうしたことが可能になった背景には、言うまでもなくインターネットの普及と発展があります。90年代後半にインターネットを知り使い始めた時、「これはスゴいものだ」と感じましたが、その漠然とした期待感、あるいは可能性の予感とでもいったものを、クラウドソーシングは具現化してくれているような気がします。

でも、この種の話の時には必ず成功例として出てくるWikipediaにしろLinuxにしろ、それが出た当初は「そんなもの、うまくいくはずがない」というのが常識だったんです。これは考えてみれば驚くべきことで、たかだかこの10年か15年くらいで、この古い常識が打破されたんですね。今の我々の関心は、クラウドソーシングが可能かどうか、ではなく、いかにすれば質の高いクラウドソーシングを実現できるか、にあります。

クラウドソーシングが浸透した社会は、これまでとはかなり違ったものになりそうです。企業の枠組みがかなり緩やかなものとなるでしょう。コンテンツの制作や流通のありようが変わるでしょう。人々の時間やエネルギーの使い方が変わるでしょう。そして何より、インターネットがますます人々の生活において大きな比重を占めるようになるでしょう。

私は従来より「参画型社会」を理想としてきましたが、クラウドソーシングはその重要なカギとなるように思えます。

ともあれ、この本は必読です。

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