しばらく前、奨学金の返済に窮する若者が増えている、というドキュメンタリーを観ました。
いつも思うのですが、奨学金というファンドは、OB・OGとでも言うべき人たちからの寄付を獲得するように努めるといいんじゃないでしょうか。奨学金のおかげで高度な学問を身につけた者が、より多くの収入を得る。そしてその一部を、次の世代の学生のために寄付する。素晴らしいお金の循環だと思うんですよ。もちろんその節は、寄付には十分な控除があってしかるべきですが。
さらにまた、奨学金の受け渡しを通じて先輩・後輩の間にネットワークができ、先輩がメンターの役割を果たせたら、もっといいでしょう。互いにとって、実利の上でも、精神的な意味でも、メリットのある関わりになると信じます。
戦前は金持ちが自宅に書生を置く、という風習がありました。さすがに現代にそれを大々的に復活させることができるとは思えません。奨学金というものは、それに代わる「縁」として機能し得るはずです。
さて、上記のことは奨学金に限りません。成功したベンチャー起業家が拠出するエンジェル・ファンドのようなものも、数多くあるといいですよね。分野ごととか、地域ごとに。
思いや知恵、そしてお金が、先人から後続世代に受け継がれていくこと。そうした仕組みを考え、実現していくことも、世の中を善くする上での、大きなテーマだと考えます。