意外と思う方も、いるかもしれませんね。
でもいろんなアンケートでは、日本の会社員は他の主要国に比べ、自社に対する愛着や忠誠心が弱いようなんです。
従業員の「愛社精神」 日本は米国に負けていた : J-CAST会社ウォッチ
現在働く組織に対して、どの程度、愛着心/ロイヤルティ(忠誠心)を感じるかと尋ねたところ、「まあまあ感じている」と答えたのは、米国では36.4%、日本では34.4%と違いはなかった。
しかし「非常に感じる」と答えたのは、日本では21.4%にとどまったのに対し、米国は43.4%に上った。
人事のアウトソーシング企業である米ヒューイット・アソシエイツが最近発表した調査によると、2010年は社員の愛社精神や士気の落ち込みが、調査開始から15年間で最も大きかった。2010年第2四半期の終わりには、調査対象900社のうち約半数で、社員の愛社精神に急降下が見られた。
日本企業は、特にその傾向が顕著だ。米ギャラップの従業員エンゲージメント調査(2008年)によれば、仕事に愛着があるとする日本人労働者は全体のわずか7%しかおらず、残りの93%は会社に対する愛着を失っているか、もしくはあえて距離を置いている。先に発表された米ケネクサ・リサーチ・インスティチュートの従業員エンゲージメント調査でも、企業愛着度において日本は世界の中で最下位であった。
これって結構、由々しきことじゃないでしょうか。経営者始め会社の人たちは、それなりに一生懸命仕事しているでしょう。でも上のような状況では、会社のみんなは熱くなるでしょうか?チームが一丸となるでしょうか?細々した経営のテクニックを駆使するなんてことよりもまず、この部分の「治療」が求められているんだと思います。
で、私なりに原因を考えてみますと・・・
1.流動性が低い
一部の業界を除き、日本では転職はキャリアにマイナスになってしまいます。そもそも、中途採用の門が狭い。ということで、不満を持ちつつも最初に入った会社で我慢する、という人が少なくないんでしょう。
2.上に話が通じない
世代のギャップということもありますが、それ以上に、多くの企業では現場の人間の意見や提案をくみあげる仕組みがないか、乏しいです。で、「どうせ言ってもムダ」といった虚無的な思いを抱えつつ、毎日出社している人がたくさん出てくる、というわけです。
3.成果主義など、利益偏重の風土
人事考課制度としての成果主義がどれほどの企業に採用・浸透しているのか、詳しいことは知りません。けれど、それに類する評価システムは、大半の企業が取り入れているんじゃないでしょうか。それ自体は必要なこととしても、社員のモチベーションや忠誠心に対してあまりに無防備なまま始めてしまい、結果、組織が荒廃してしまう、という例は決して少なくないことでしょう。
ともあれ、この問題にきちんと対応しないと、日本の企業は国際社会で戦うとかいう以前の段階でつまずくだろうという気がしてなりません。繰り返しますが、これは日本の企業の大問題ですよ。。。