計画停電と暮らす日々

投稿者: | 2011-03-20

震災のあと、急に使われるようになった言葉がいくつかあります。「計画停電」は、その最たるものでしょう。

福島第一原発はもとより多くの火力発電所もストップしたことで、東京電力の給電能力は大幅に低下しています。3千数百万キロワット時とか何とか。時間帯によっては需要がこれを上回り、不測の大規模停電が発生することがある。そこで計画停電というわけです。

※ちなみにこれが行われるという話が出たちょうど一週間前には、「輪番停電」という言葉もよく見かけました。今は「計画停電」に統一されているようです。

首都圏などが大規模停電に見舞われると、行政や経済、そして国民生活に大混乱を来す恐れがあります。他国では停電が珍しくない、などと言いますが、日本人は停電に慣れていないですからね。従って、東京電力が計画停電を決めたこと自体は、仕方ないでしょう。

苦言を言うとすれば、情報提供が遅すぎだったり不十分だったりして、いらぬ混乱を招いている面があることです。特に初日となった14日はひどいもので「無計画停電」と揶揄する声をあちこちで聞きました。

ともあれ、電力が不足気味の状態は長く続くと考えられています。特に冷房需要がはねあがる夏場は、このままだと悲惨なことになりかねません。計画停電は継続しつつ(そして、運用面で改善すべきところは改善しつつ)、電力消費を抑える工夫を国民全体で考えなければならないでしょうね。

ネットなどでは、以下のような提言を見かけました。計画停電をやめるのではなく、計画停電で停電になるエリアを減らすという点で、併用を考えてみていいんじゃないでしょうか。

  1. 電力の最大供給量や需要・需要見込みを東京電力がリアルタイムに発信し、電力を「見える化」する
  2. 電気料金を値上げして、不要不急の電気利用を回避するインセンティブにする
  3. エコポイント制度を復活するなどして、省エネ家電への買い換えを促す

2.に関しては、ちょうど野口悠紀雄氏の提言を目にしました。従量の電気料金ではなく基本料を上げる。確かに、良いアイデアかもしれません。

緊急提言2: 基本料金の見直しで、節電と利用平準化を進めよう|野口悠紀雄 未曾有の大震災 日本はどう対応すべきか|ダイヤモンド・オンライン

節電を迫られ、時に停電下の生活を強いられている首都圏住民の間には、「節電ファシズム」のようなものが生まれ始めていると感じます。プロ野球セントラルリーグの開幕をめぐっての猛烈な反発にも、私はその一端を感じました。この件は、別のエントリーで書きます。

ちなみに千葉県習志野市にある私の自宅は、なぜか計画停電対象から除外されてしまいました。当初は含まれていたのですが、結局一度も停電はなし。臨海の地域に「液状化現象」で被害を受けた住宅があるので、そのためかもしれません。この文章、首都圏の他地域の人がご覧になると、停電が他人事のように語っていると見えるかもしれません。そんな事情ですので、もしお気を悪くされる方がいたとしたら、謝ります。

そんな自分でも、節電は心がけていますけどね。照明を普段より暗くし、夜は早めに布団に入って、ラジオとスマートフォンで過ごす、とか。

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