学生が勉強しないシステム

投稿者: | 2011-07-29

数日前、Twitter上である人が「学生が勉強しないことを、大人が非難できるのか」といったことを言っていた人がいたので、私から少し異論を挟みました。

改めて、意見をまとめてみようと思います。

私とて、勉強しない個々の学生を非難するつもりはありません。ただ、学生が勉強しなくて済むシステム、する気にならないシステムは、「ヤバいんじゃないの?」と思うわけです。

勉強しなくて済むシステム、する気にならないシステムというのは、大学にも社会にも責任があります。大学は学生にどれだけの学力・知識を身につけさせるかの「品質管理」があまりに杜撰です。社会(企業など)は社会で、学生が大学で具体的に何を身につけたか、あまり厳しく問わなさすぎるのではないでしょうか。端的に言って、ルーズなのです。

一昔前なら、「高校まで必死で勉強したんだし、社会に出たらあくせく働く生活が待っているんだから、大学時代くらい、のんびりすれば良いよ」と言っておられたかもしれません。でも今は、世界中が知識社会に向けて疾走している時代です。そんな牧歌的な時代は終わったと、知るべきでしょう。学生自身もそうですが、それ以上に我々大人が。

さて、中には「大学時代に勉強しないと、何が不都合なの?」といぶかる人がいるかもしれません。私には、その感覚が理解しにくいです。世の中はますます専門家・高度化しています。何らかの知の体系を必死で勉強していないと、「専門家」を名乗ることすら許されない時代なのです。もちろん、単に専門家であることを超えて、新たな知的貢献をしようと思えば、さらにハードな勉強が必要です。

まして日本は文系中心にいまだ学士どまりの人が多く、世界標準から見たらとても高学歴とは言えなくなっています。既に置いてきぼりにされつつある、という危機感があってしかるべきではないでしょうか。

「学生が勉強しなくても・・・」というのは、今の時代、寝言と言わざるを得ません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください